2011/10/25

ラ・パティスリー・デ・レーヴ/パリ

パリに行くと、100年、200年と続くお菓子屋さんが
普通に人々の生活の中に溶け込んでいて
トレンドがどうとか探ること自体が間違いなのでは?と
思わず感じてしまうことがあります。

歴史や伝統を感じる街ですが、
そういった中でも、遊びゴコロやデザインの面白さなど
ワクワクするクリエイションを探すのは
とても楽しい時間です。

そのひとつとして大好きなお店は
「ラ・パティスリー・デ・レーヴ」
La Pâtisseri des Reves

2009年秋にオープンしているのでもう2年ですが、
次は何を作って驚かせてくれるんだろう?と
ついつい期待してしまうお店。


クリエイションはユニークなのに
入り口左上のロゴ、壁と同じ色というシックな仕上げ。

こういう抑えがきいていているところも、さすがです。



他にはない、斬新なディスプレイ。




窓際には、焼き菓子が並んでいます。



エクレールやパリブレスト、サントノーレといった古典菓子も
天才の手にかかるとこういうことになるのか、と。

大胆な発想と意外な進化は
洋菓子を仕事にしている者としてはとても勉強になります。


La Pâtisserie des Réves

93, rue du Bac 75007 Paris



2011/10/11

ジャン=ポール・エヴァンのクリスマスケーキ③

エヴァンさんの今年の新作クリスマスケーキ3品目です。

 (1品目、2品目は以前の記事をご覧ください!)
       

「Grand Cru」

ビュッシュ「グラン クリュ シャトーJPH」


ボックスの中に入ったビュッシュドノエルは
興味引かれる一品。

キュリオズィテ(好奇心)に駆られて繰り出したカカオ農園で見つけた
グランクリュ。大切なワインを木箱に入れるように
ボックスに入れたというストーリーには
エヴァンさんのロマンを感じます。



ナイフを入れると、中にはいくつにも重ねられた層が。

プラリネのクルスティヤン、カカオのビスキュイ、そして
ショコラノワールのムースにオレンジとジンジャーのピューレ
という様々な素材と食感が見事に調和しています。


先に紹介したトナカイの「Rudy」が濃厚な印象なのに対し、
こちらは、オレンジやジンジャーの風味もあって
軽さとみずみずしさを感じました。


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3種類ご紹介した今年のビュッシュ。


共通して感じたのは、「味わい」と「食感」それぞれのコントラストが
非常に魅力的という印象。

フルーツの爽やかさやみずみずしさ、
アーモンド生地の軽さと香りの良さなど
どれもがショコラの濃厚な味わいとバランスしていて
食べ飽きない感じです。

2011/10/07

ジャン=ポール・エヴァンのクリスマスケーキ②

前回に引き続き、エヴァンさんの新作をレポート。


先日の試食会で私が一目惚れした「Rudy」!

 
「Rudy」

ビュッシュ「リュディ」


サンタクロースのトナカイ、リュディが
好奇心いっぱいの目で、丸い鼻先をこちらに向けています。

この子にナイフを入れるなんてできない・・・!
というくらいのかわいさ。

 
昔、クリスマスの絵本で見た「真っ赤なお鼻のトナカイさん」は
きっと誰しも心のどこかにある楽しい思い出。
好奇心(キュリオズィテ)旺盛なこのトナカイが
そんな子供心を惹き付けます。

でもご安心あれ。
味は決して「子供」ではなく、実は今年のビュッシュの中では
一番ビターな印象。


ショコラのビスキュイとショコラムースとショコラづくし。

味わいはとても濃厚なのに
口の中ですっと溶けて、カカオの香りだけがずーっと残る。
そんな印象を受けました。
ビターな味わいと、カカオの香り高さが
心地よく余韻として続きます。

ショコラが大好きな方が満足できる味だと
私は思います。

あ、そしてこのRudyのかわいさが好きな方にも!


2011/10/05

ジャン=ポール・エヴァンのクリスマスケーキ①

新しい世界の発見。
新しい味の発見。
その原動力は「好奇心」というジャン=ポール・エヴァンさん。

発売開始された今年のクリスマスケーキを
先日試食してきたので、少々ご紹介します。

今年のテーマはCuriosité<キュリオズィテ(=好奇心)>。
知りたいという欲求を意味するラテン語curiositasに由来し、
類まれな、変わった、新しい感覚を探し求める嗜好をあらわします。
クリスマスシーズンに登場する新作の数々は、
そのキュリオズィテをモチーフにクリエイトされています。





●BûcheDrapée
ビュッシュ「ミステリユーズ」

ドレープに触れたい衝動に駆られる
質感が美しいビュッシュドノエル。
何の飾りもなく、ここまでシンプルに美しさを表現できるのは
エヴァンさんの素晴らしさだと衝撃を受けた一品。



しかしながら、そのヴェールの下には
新鮮な味わいと驚きが詰まっています。

香り豊なノワゼットのダックワーズ生地と抹茶風味のビスキュイ、
ミルクチョコレートのムースにフランボワーズのクーリと
グリオットのコンフィという組み合わせ。

フルーツの甘酸っぱさと、ナッツの豊かな香り、
そして何よりもその「食感」がすごい印象的!
チョコレートムースのなめらかさの中に、
みずみずしさと香ばしさが見事にバランスしています。

大人のビュッシュドノエルは、
ミステリアスな外観に惹かれた
好奇心ある方にオススメだと思います。